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About

国土交通省が推進する日本全国の3D都市モデルの整備・オープンデータ化プロジェクト「PLATEAU」の一環で、ユーザーと事業者が双方向で交流、体験できるAR・メタバース連携プラットフォーム「arium(アリウム)」の開発を行いました。本プロジェクトの実証実験を、株式会社博報堂DYホールディングス(以下博報堂DYホールディングス)との共同で実施いたしました。

Background

近年、世界市場において「メタバース」というワードが注目を集めているように、VR・ARデバイスの普及や関連コンテンツ市場が著しく成長しています。人々の活動や交流の場がXRやメタバース空間へと広がり、時間的・金銭的支出がデジタルに広がっていく流れにおいて、MESONでは人々のコミュニケーションの場やエンターテイメントの基盤が、XR・メタバース空間へ拡大する未来を見据えています。

現在、物理的なものとして捉えられている都市空間は、XR技術の発達によりサイバー世界に拡張され、異なる場所や時間軸からアクセスできるようになります。その都市における活動の規模は居住者数や来訪者数だけでなく、オンライン経由でのアクセス数との組み合わせで測られるようになると考えています。物理的距離や時間の制約を超えた、誰もが参加・交流のできるAR・メタバース都市空間が今後の都市概念において重要になることを見据え、ariumを開発しました。

このコンテキストを基に、ariumは都市ARとメタバースの両空間を横断した体験を楽しめる、物理とバーチャルを超えたメディア横断型プロジェクトとして立ち上げられました。

実在する都市空間にバーチャルコンテンツを配置できる「都市AR体験」と、該当都市空間を模して作成された「メタバース空間体験」を連動させることで、都市AR・メタバースのシームレスな体験連携の実現を目指しました。

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Execution

実在する都市とそれを再現したバーチャル都市空間を舞台に、3Dコンテンツを使って遊ぶコミュニケーションアプリ「arium」を開発しました。3Dコンテンツの投稿を通じて、遊び心あふれるコミュニケーションを楽しめたり、友達や家族と繋がりあえます。

ariumを楽しむ方法は2つあります。

(1) モバイルARアプリ:普段出歩いたり、ショッピングを楽しむ都市の風景を、アプリのカメラで覗いてみましょう。他のユーザーがこれまでに置いた3Dコンテンツが街中に置かれています。それは誰かへのメッセージであったり、街を明るくするモニュメントだったり、表現は様々です。気が向いたらリアクションやコメントを残すことで、3Dコンテンツを介したコミュニケーションを楽しみましょう。

(2) PCメタバースサイト:もし実際に足を運べる時間がなかったり、遊びに行ける距離にいない場合、実在の都市空間をそっくりそのままに模したバーチャル都市にPCからアクセスしましょう。3Dコンテンツが置かれた場所は、バーチャル都市の同じ位置にも置かれています。たとえ現実世界ではすぐに会えない距離に住む友達や家族を持っていても、ariumを使えばまるで一緒に都市で同じモノを見聞きしているような繋がりを感じる、新たなコミュニケーションを楽しめます。

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Results

実証実験では、MESONと博報堂DYホールディングスの二社で検証仮説を検討し、CMS/アプリの性能と、想定される事業者とアプリのエンドユーザーにとっての有用性を検証しました。検証の結果、コンテンツの配置・表示を1m程度の誤差の範囲で実現でき、都市空間内でキャラクターやアート作品などを建物の形状に合わせて表示することや、店舗や観光スポットなどその街に関する情報をピンポイントで表示するユースケースを検証。十分な精度でCMSとARアプリを運用できることが確認されました。実験結果の詳細は、以下の国土交通省のWebサイトをご参照下さい。
https://www.mlit.go.jp/plateau/use-case/uc22-016/

今後、ariumは一般ユーザーだけでなく、ロケーションオーナーやコンテンツホルダーの企業と連携しながら、実際の施策を実施する中でプラットフォームとしての提供価値の向上や機能開発を進めていきます。特に実証実験の中で事業者から多くの活用意向が寄せられたIPコンテンツ活用や都市空間における情報コンテンツ提示ユースケースを推進していきます。

日本各都市を訪れるユーザー向けに、アニメやマンガなどのキャラクターの3Dコンテンツを街中に配置しておくことで、新たな都市周遊体験やブランドとファンのコミュニケーション接点創出が望めます。たとえば訪日観光客への新たな訴求コンテンツになり得ることも考えられます。また、店舗・商業施設での販促ユースケースでは、商品の情報やクーポンの配布や、NFTなどのデジタル商品の販売をarium上で展開できると考えております。

パブリックな企画として実際にエンドユーザーを集めたイベントを開催することでプロダクトの継続的な改善を行っていきます。今回の実証実験では渋谷エリアを対象としましたが、PLATEAUの3D都市モデルが提供されている他都市でも体験構築が可能なため、イベントや施策内容に合わせてアプリケーションの対応エリアを拡充していきます。

加えて、令和2年度のProject PLATEAUの民間ユースケース開発「都市空間におけるAR/VRでのサイバー・フィジカル横断コミュニケーション」で構築した「GIBSON」の技術を活用し、リアルタイムコミュニケーションやアバターコミュニケーションの要素を組み合わせることで、特に親和性が高いと考えられるエンターテイメント・観光系のユースケース向けに没入感の高い体験の構築を進めます。3D都市モデルを活用したより没入感の高いバーチャル空間を構築する方法を模索しながら、XRの体験を身近なものとして全国への普及拡大を目指します。

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Credit

  • Service Planning & Design and Development
    Kent Kajitani, Seiichiro Takeuchi, Kohei Endo, Kazuya Hiruma, Mathilda, Shuto Umemura, Shogo Ajina, Masaki Morihara, Chika Fujimoto,Nobuyuki Furukawa

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